「車を売ろうとは思っているけれど、査定を受けるのが何となく不安」「以前査定を受けたときに、モヤモヤした気持ちが残った」——そんな経験がある方は、決して少数派ではありません。中古車買取に関する複数の調査によると、査定経験者の半数以上が査定の場で不信感を抱いた経験があると回答しています。個人的な思い込みではなく、業界全体に共通する構造的な要因が背景にあることが、公開されているデータからも見えてきます。

私は元ディーラー整備士として10年以上、査定に出される側の車を数多く整備し、送り出してきました。この記事では「実際に査定を受けてみた」という体験談ではなく、公開されている調査データと、整備士としての専門知識をもとに、なぜ査定で不信感が生まれやすいのか、そしてその不信感をどう減らせるのかを解説していきます。

車査定で「不信感を抱いた」人は約6割【調査データで見る実態】

リセールバリュー総合研究所(通称:リセバ総研)が2026年1月に実施した「中古車売却・買取査定に関する意識調査」(全国の自家用車保有者464人を対象、インターネット調査)によると、買取査定の経験者のうち55.1%が「何度もある」「数回ある」と回答し、査定で不信感を抱いた経験がある人が半数を超えるという調査結果が報告されています。

一方で、同調査では査定の場で「信頼できる対応をされた」と感じた経験がある人も52.3%にのぼることが示されています。業者そのものを一様に不信視しているわけではなく、査定という個別のプロセスの中での「対応の差」が、不信感の有無を分けているという構造が浮かび上がってきます。

📊 調査データ

買取査定の経験者のうち55.1%が「不信感を抱いたことがある」と回答。一方で査定の場で「信頼できる対応をされた」と感じた経験がある人も52.3%にのぼる。

出典:リセールバリュー総合研究所「中古車売却・買取査定に関する意識調査」(2026年1月実施・対象464人)

主な不信感の内容(提示額の根拠が不明・態度が急変等)

同調査では、不信感を抱いた理由(複数回答)として、「後出しで減額された」が40.4%で最も多く、僅差で「査定額の根拠が不明確」が39.7%という結果が報告されています。続いて「相場より明らかに安いと感じた」が30.8%、「手数料・条件などの説明が不十分だった」が30.1%となっており、金額の大小そのものよりも、説明のプロセスに納得感が持てるかどうかが不信感の有無を分けているようです。

相場を「全く把握していない」人が約半数という事実

同じ調査では、自分の車のリセールバリュー(残価)について「あまり把握していない」「まったくわからない」と回答した人が合計65.7%にのぼるという調査結果も示されています。「正確に把握している」と回答したのはわずか9.1%にとどまりました。

📊 調査データ

自分の車のリセールバリューを「まったくわからない」「あまり把握していない」と答えた人が合計65.7%。「正確に把握している」はわずか9.1%。

出典:リセールバリュー総合研究所「中古車売却・買取査定に関する意識調査」(2026年1月実施・対象464人)

また、車買取専門メディア「車買取ジャーナル」(ナイル運営)が2025年4月〜2026年3月に車を売却した経験者231人を対象に行った調査では、査定額の不透明さや、査定の過程で金額が変わる「二重査定」の発生を指摘する回答が一定数あったと報告されています。売却前に買取に対して不安を感じていた人のうち、約半数がその不安通りのことが実際に起きたと回答したとされています。

なぜこの構造が生まれるのか

相場を把握していない状態で査定に臨むと、提示された金額が高いのか安いのか、その場で判断する材料がありません。判断材料がない状態は、業者側の説明力や誠実さに納得感を全面的に依存することになり、少しでも説明が不十分だと不信感につながりやすくなります。業界では、こうした「情報の非対称性」こそが不信感の温床になっていると指摘されることが多いです。

整備士から見た「不信感が生まれる3つの理由」

私は整備士として、査定に出される前の車、そして査定後に入庫してくる車の両方を見てきました。その立場から見ると、不信感が生まれやすい構造にはいくつかの共通点があると感じています。

① 査定基準がブラックボックスであること

査定額は年式・走行距離・修復歴の有無・内外装の状態・人気グレードかどうかなど、複数の要素を掛け合わせて決まります。しかし、この配点の詳細を一般消費者向けに公開している業者は多くありません。「なぜこの金額になったのか」を明確に説明されないまま提示されると、根拠不明という印象を持たれやすくなります。

② 「今日だけ」「特別に」という心理的圧力の手法

査定の現場では、「本日中に契約いただければこの金額を維持できます」といった即決を促す説明がされることがあると言われています。こうした手法自体が違法というわけではありませんが、比較検討する時間を与えられないまま契約に至ると、後になって「本当に妥当な金額だったのか」という疑念が残りやすくなります。

③ 減額項目の説明が専門的すぎて反論しづらい

「フレームに歪みがある」「アンダーコートの劣化」など、整備・修復に関する専門用語で減額理由が説明されると、消費者側はその真偽を確認する手段を持たないことがほとんどです。専門知識の非対称性が、そのまま交渉力の差につながってしまう場面は少なくありません。

🔧 整備士のひとこと

査定士が最初に確認するのは、実はボンネットを開けたエンジンルームの状態だと言われています。オイル漏れの跡や社外パーツの取り付け跡、修復歴を示すコーキングの塗り直し跡などは、整備士であれば短時間で見抜けるポイントです。減額理由として提示された内容が、こうした技術的に説明のつくものかどうかを知っておくだけでも、納得感は変わってきます。

査定額の「妥当性」を自分で判断する方法

相場を事前に調べる3つの方法

①同一車種・年式・走行距離の中古車販売価格を検索サイトで確認する、②複数の相場情報サイトで大まかな買取相場レンジを把握しておく、③自分の車の修復歴・事故歴の有無を車検証や整備記録簿で事前に確認しておく——この3つを事前に把握しておくだけで、提示された査定額が相場から大きく外れていないかを、自分自身で判断する材料になります。

減額理由として「妥当なもの」と「怪しいもの」の違い

妥当な減額理由として挙げられやすいのは、走行距離が年式相応より多い、修復歴がある、内外装に目立つ傷や汚れがある、といった、車を見れば誰でも確認できる項目です。一方で、「今のタイミングでは相場が下がっている」といった、その場でしか確認しようのない抽象的な理由だけで大きく減額される場合は、一度持ち帰って他社の意見も聞いてみる価値があると考えられます。

整備士が教える「言われたら確認すべき」フレーズ

減額理由を説明された際は、「具体的にどの部位を指しているか」「その部位の状態を写真や実車で見せてもらえるか」を尋ねてみることをおすすめします。曖昧な説明で押し切ろうとする対応と、具体的に状態を示して説明してくれる対応とでは、姿勢に明確な差が出やすいです。

🔧 整備士のひとこと

「アンダーコートの劣化」や「下回りの腐食」を理由に減額される場合は、リフトアップして下から状態を見せてもらえるかを聞いてみてください。整備士目線では、こうした確認に応じてもらえるかどうかが、説明への自信を測るひとつの目安になると考えています。

不信感を減らすための査定前の準備

複数の情報源で相場を把握しておく

一つの情報だけを鵜呑みにせず、複数の相場情報サイトや、可能であれば実際の販売価格帯を確認しておくことで、査定額を客観的に評価する基準を持つことができます。

査定基準の説明を求める(説明を渋る業者は要注意)

査定額の内訳や、減点項目の具体的な根拠を尋ねた際に、丁寧に説明してくれるかどうかは、対応の姿勢を見極める材料になります。前述のリセバ総研の調査でも、信頼できると感じた理由の上位に「相場情報を開示してくれた」(54.1%)、「査定額の理由を丁寧に説明してくれた」(53.4%)が挙がっており、説明の丁寧さが信頼形成に直結していることが示されています。

即決を求められても持ち帰る選択肢を持つ

同調査では、信頼できると感じた理由として「即決を迫らなかった」(35.8%)も上位に挙がっています。その場で契約を決められない場合でも、一度持ち帰って検討する時間を確保することは、査定額の妥当性を冷静に判断するうえで有効な手段です。

💰 相場を知ってから査定に臨みたい方へ

不信感を減らす第一歩は「自分でも相場を把握しておく」ことです。車買取カルモなら電話1社・査定無料・売却は任意で、まず金額の目安を知ることができます。

▶ 車買取カルモで相場を無料確認する

※ 査定無料・電話1社のみ・売却は任意です

「電話1社だけ」で完結する査定サービスという選択肢

一括査定との違い(多数業者からの電話攻勢を避けられる)

一括査定サービスは複数社から一度に見積もりを取れる利点がある一方、契約後に複数業者から電話が集中することがストレスになるという声も少なくないと言われています。

単一業者への直接依頼のメリット・デメリット

電話が1社のみで完結するサービスは、こうした電話対応の負担を避けられる点がメリットです。一方で、複数社を比較する機会が限られるため、提示された金額が本当に相場に見合っているかを、事前に自分で相場を調べておく必要性がより高くなります。

整備士としての正直な評価(万能ではないが不信感の一因は減らせる)

電話1社完結型のサービスが査定額そのものを保証してくれるわけではありません。ただ、少なくとも「複数業者からの営業電話に追われる」という不信感の一因は取り除ける手段だと考えられます。相場を事前に把握したうえで利用すれば、より納得感のあるプロセスにつなげやすくなります。

📖 あわせて読みたい:車査定で電話を減らす方法

📞 複数業者からの電話攻勢を避けたい方へ

一括査定特有の「電話が鳴り止まない」ストレスを避けたい場合、電話1社だけで完結する車買取カルモという選択肢もあります。

▶ 車買取カルモに無料査定を依頼する

※ 査定無料・電話1社のみ・売却は任意です

まとめ|不信感の正体を知れば、査定は怖くない

  • 査定経験者の約6割が不信感を抱いた経験があるという調査結果がある一方、業者そのものへの信頼度は7割超であり、査定の「プロセス」に不信感の原因があること
  • 相場を把握していない状態で査定に臨むことが、不信感を強めやすい構造につながっていること
  • 減額理由は具体的な根拠を確認する、説明を渋る業者には注意する、即決を急がない、といった対策で納得感は変わること
  • 電話1社完結型のサービスは、営業電話のストレスを減らす選択肢のひとつであること

不信感の多くは、査定という取引の「見えにくさ」から生まれます。逆にいえば、相場を知り、確認すべきポイントを押さえておくだけで、査定は決して怖いものではなくなります。

📖 あわせて読みたい:車の売り時はいつ?

🚗 査定の不安、まず「知ること」から解消しませんか

不信感の多くは「わからないこと」から生まれます。相場を知っておくだけで、査定の場での判断力が変わります。
車買取カルモは電話1社・売却任意・査定無料です。

▶ 車買取カルモに無料査定を依頼する

※ 査定は無料・売却は任意です

 

ABOUT ME
元整備士ブロガー
元ディーラー整備士 群馬県在住。ジムニー(JB64)乗り。 ディーラー整備士として数千台の車と向き合い続けた現場経験を、 あなたのカーライフに役立てるために発信中。